婚活でホラー映画を10本布教された話と、実際に見た正直な感想

ホラー映画を見るエリンギちゃん 映画・エンタメ

マッチングアプリで出会った人に、初デートでホラー映画を10本布教された。

プレゼントがシャイニングで、鍋が赤くてゾッとして、別れ際に「今度一緒に心霊スポット行きましょう」と言われたあの夜の話はnote記事に書いたんだけど、そのときもらったDVDと彼が話してくれた映画タイトルを全部メモしておいて、後日ちゃんと見た。

人にすすめてもらったものはできるだけ見ると決めているので。

ホラーは苦手ではないけど得意でもない。お化け屋敷は嫌い、心霊動画は見ない、でも映画のホラーはなんとか見られる——そのくらいのレベルのわたしが、10本まとめて見た正直な感想を書く。


見た映画10本・かんたん紹介

先に全部並べておく。それぞれの詳細は後述。

タイトル公開年監督ひとことメモリンク
死霊館2013年ジェームズ・ワン実話ベース。完成度が高い作品情報
シックスセンス1999年M・ナイト・シャマランラストが有名すぎる名作作品情報
キャビン2012年ドリュー・ゴダードB級なのに仕掛けがある作品情報
ライト/オフ2016年デヴィッド・F・サンドバーグ「暗闇だけに現れる」設定が秀逸作品情報
パラノーマルアクティビティ2007年オーレン・ペリ低予算の怖さ。ジワジワ来る作品情報
リング1998年中田秀夫Jホラーの原点作品情報
呪怨2002年清水崇日常の怖さがじわじわ来る作品情報
ミスト2007年フランク・ダラボン怪物より人間が怖い映画作品情報
クリーピー 偽りの隣人2016年黒沢清隣人ホラー。じわじわ不気味作品情報
エスター2009年ジャウム・コレット=セラ子どもが怖い系。どんでん返しあり作品情報

各映画のかんたん紹介

🎬 死霊館(The Conjuring)

公開年:2013年 監督:ジェームズ・ワン 原題:The Conjuring

実在した心霊研究家エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が関わった事件をもとにしたホラー。田舎の一軒家に引っ越してきた家族が、少しずつ説明のつかない現象に巻き込まれていく。拍手の音、時計の止まる時間、地下室、古い家の軋み。ひとつひとつの演出は派手すぎないのに、積み重ね方がうまくて、気づいたらずっと肩に力が入っていた。

単に驚かせるだけではなく、家族を守ろうとする物語としても見られるところがよかった。ウォーレン夫妻の関係性にも安心感があって、怖い場面の連続なのに映画としての満足度が高い。ホラー初心者には十分怖いけれど、「怖いだけで終わらない映画」を見たい人にはかなりおすすめできる一本だった

🎬 シックスセンス(The Sixth Sense)

公開年:1999年 監督:M・ナイト・シャマラン 主演:ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント

「死んだ人が見える」と訴える少年コールと、彼を助けようとする児童心理士マルコムの物語。ホラー映画として有名だけど、実際に見てみると、幽霊で怖がらせるというよりも、孤独や理解されない苦しさを描いたヒューマンドラマに近かった。

有名すぎるラストのどんでん返しは、知っていてもなお面白い。むしろ結末を知ってからもう一度見ると、登場人物の表情や会話の意味が変わって見えるタイプの映画。派手な怖さは少ないので、ホラーが苦手な人でも比較的見やすいと思う。見終わった後に「怖かった」より「うまい映画だった」が残った。

🎬 キャビン(The Cabin in the Woods)

公開年:2012年 監督:ドリュー・ゴダード 脚本:ジョス・ウェドン

若者たちが森の山小屋へ遊びに行き、そこで恐ろしい目に遭う。ここだけ聞くと、いかにも定番のホラー。でもこの映画は、その「定番」そのものをひっくり返してくる。最初はありがちなB級ホラーに見えるのに、途中から裏側の仕組みが見えてきて、だんだんジャンルが変わっていく感じがある。

ホラー映画のお約束を知っているほど笑えるし、驚ける。怖さだけでいうと上位ではないけれど、見終わった後の満足度はかなり高かった。「そういうことだったの!?」が何回もある映画。今回の10本の中で、一番予想を裏切られた作品かもしれない。

🎬 ライト/オフ(Lights Out)

公開年:2016年 監督:デヴィッド・F・サンドバーグ

暗闇の中にだけ現れる存在・ダイアナが家族を追い詰めていくホラー。設定がとにかくシンプルで強い。電気をつけると消える。消すと現れる。それだけなのに、日常生活で何度もやる「電気を消す」という行為が急に怖くなる。

上映時間も比較的短めで、テンポよく進むので見やすい。ただ、見やすいから怖くないわけではない。廊下、寝室、クローゼット、電球のちらつきなど、生活に近い場所で怖さが起きるので、鑑賞後のダメージがじわじわ来る。見た日の夜、部屋の電気を消す前に少しだけためらった。

🎬 パラノーマルアクティビティ(Paranormal Activity)

公開年:2007年 監督:オーレン・ペリ

カップルの家で起こる怪奇現象を、家庭用カメラの映像として見せるファウンドフッテージ形式のホラー。派手な怪物も、大きな音の連続もほとんどない。寝室を固定カメラで映しているだけの場面が多いのに、なぜかずっと怖い。

この映画の怖さは「何かが映るかもしれない」と思って画面を見続けてしまうところにある。何も起きていない時間が長いほど、こちらの想像力が勝手に働いてしまう。低予算だからこその生々しさがあって、映画というより、誰かの家の記録映像を覗いているような嫌さがあった。見終わった後、自宅のちょっとした物音に敏感になる。なる。

🎬 リング

公開年:1998年 監督:中田秀夫 原作:鈴木光司

「見たら7日後に死ぬ呪いのビデオ」をめぐるJホラーの代表作。今見るとビデオテープやテレビの質感に時代を感じるけれど、その古さがむしろ怖さにつながっている。画面のざらつき、静かな部屋、井戸、電話。全体的に湿度が高くて、音量を上げなくても不安になる。

貞子のイメージが有名になりすぎて、見る前から知っている気になっていたけれど、実際に見るとミステリーとしても面白かった。呪いの正体を追っていく過程がしっかりしていて、単なる心霊映画ではない。Jホラーの空気感を知るなら、やっぱり外せない一本だと思う。

🎬 呪怨

公開年:2002年 監督:清水崇

強い怨念が残る家を訪れた人々が、次々と呪いに巻き込まれていくホラー。リングが「謎を追う怖さ」だとしたら、呪怨は「逃げ道がない怖さ」だった。理由を理解すれば助かる、というタイプではなく、関わってしまった時点でもう遅い感じがある。

オムニバス形式で時間軸も少し入り組んでいるので、最初は「あれ、これは誰の話?」となる場面もある。でも、その断片的な見せ方がかえって不気味だった。伽椰子の動きや声、俊雄の白い姿など、ビジュアルの記憶に残り方が強い。日常の家の中が怖くなるタイプの映画。

🎬 ミスト(The Mist)

公開年:2007年 監督:フランク・ダラボン 原作:スティーブン・キング

突然町を覆った濃い霧。その中には得体の知れない怪物がいる。主人公たちはスーパーマーケットに避難するが、閉じ込められた人々の間に不安と対立が広がっていく。怪物も怖いけれど、この映画で一番怖いのは人間だった。

極限状態になると、人は何を信じて、誰を攻撃して、どこまで冷静でいられるのか。そういう部分を見せられるので、見ていてかなりしんどい。ラストは有名だけど、実際に見たら想像以上に重かった。ホラーというより、後味の悪い人間ドラマとして記憶に残る。元気な日に見た方がいい。

🎬 クリーピー 偽りの隣人

公開年:2016年 監督:黒沢清 原作:前川裕 主演:西島秀俊、香川照之

元刑事の主人公が、新居の隣に住む不気味な男・西野と関わっていくサスペンスホラー。幽霊や怪物は出てこないけれど、「この人、何かがおかしい」という違和感がずっと続く。香川照之の演技が本当に不気味で、普通の会話をしているだけでも落ち着かない。

怖さの種類としては、家の隣にこういう人がいたらどうしよう、という現実寄りの怖さ。説明できない違和感を無視してはいけない、と思わされる映画だった。派手な展開よりも、空気の気持ち悪さでじわじわ追い詰めてくるタイプなので、Jホラー的な静かな怖さが好きな人には刺さると思う。ホラー。

🎬 エスター(Orphan)

公開年:2009年 監督:ジャウム・コレット=セラ

子どもを亡くした夫婦が、孤児院から9歳の少女エスターを迎える。しかし、彼女の周囲で少しずつ不穏な出来事が起こり始める。最初は「不気味な子ども」の話に見えるけれど、進むにつれてエスターの異常さがどんどん具体的になっていく。

この映画は、エスター役の存在感がとにかく強い。かわいらしさと怖さが同時にあって、何を考えているのかわからない表情がずっと不安にさせる。ラストのどんでん返しはかなり有名だけど、知らずに見たら相当驚くと思う。怖さとサスペンスのバランスがよく、ホラー初心者でも比較的見やすいけれど、後味はしっかり残る。


個人的ランキング

1のフリップを持つエリンギちゃん

ホラー苦手寄りの素人目線による正直なランキング。

🥇 1位:死霊館

今回見た10本の中で、いちばん「怖いのに面白い」と思えたのが死霊館だった。
怖がらせ方がちゃんとしているというか、ただ大きな音でびっくりさせるだけではなく、家の中の違和感が少しずつ積み重なっていく感じがうまい。
最初は小さな異変だったものが、だんだん逃げられない恐怖に変わっていく流れに引き込まれた。
それでいて、映画全体に家族を守る物語としての強さもある。
ウォーレン夫妻のキャラクターも魅力的で、怖い場面が続いても、どこか安心して見ていられる部分があった。
実話ベースという情報もかなり効いていて、「これが本当にあった話をもとにしているのか」と思うと、見終わった後までじわじわ怖い。
シリーズ全部見たくなった、唯一の作品。

🥈 2位:シックスセンス

ホラー映画として見ると、怖さの強さはそこまで上位ではないかもしれない。
でも映画としての完成度が高くて、見終わった後に一番「うまいな」と思った。
幽霊が出る映画ではあるけれど、中心にあるのは少年の孤独や、誰にも信じてもらえない苦しさで、怖さよりも切なさの方が残った。
有名なラストのどんでん返しも、ただ驚かせるためだけではなく、そこに向かって全体が丁寧に作られているのがよかった。
結末を知ったうえでもう一度見たくなるタイプの映画で、会話や表情の意味が全部変わって見える。
ホラーが苦手な人にもすすめやすいし、「怖い映画は無理だけど名作なら見たい」という人にはかなり合うと思う。

🥉 3位:キャビン

一番意外だったのがこれ。見始めたときは、正直「あ、若者が山小屋に行ってひどい目に遭うやつね」と思っていた。
いかにもB級ホラーっぽい始まり方で、登場人物もホラー映画によくいるタイプに見える。
でも途中から、その“ありがちさ”自体に意味があることがわかってきて、一気に面白くなった。
ホラー映画のお約束を逆手に取っている作品なので、ただ怖いだけではなく、見ながら「そういう仕組みだったのか」と笑ってしまう場面もある。
怖さの純度でいえば死霊館やライト/オフの方が上だけど、アイデアの面白さではかなり上位。
今回の10本の中で、いちばん予想を裏切ってくれた映画だった。
ホラーを何本か見たあとに見ると、より楽しめると思う。

4位:ライト/オフ

「暗闇にしか存在できない怪物」という設定がとにかく強い。電気をつければ消える、消したら現れる。
このルールがシンプルだからこそ、見ている側もすぐに怖さを理解できる。
複雑な説明がなくても、部屋が暗くなった瞬間に「あ、来る」とわかるのが本当にうまい。
しかも怖さが日常に直結している。夜に廊下を歩く、寝る前に電気を消す、クローゼットの暗がりを見る。
普段なら何でもない行動が、映画を見た後だけ全部ちょっと怖くなる。
上映時間も長すぎずテンポがいいので見やすいけれど、鑑賞後の生活への影響はなかなか大きかった。しばらく部屋の電気を消すのが嫌になった。

5位:パラノーマルアクティビティ

派手な演出がほとんどないのに、じわじわ怖くなるタイプの映画だった。
固定カメラで寝室を映しているだけの場面が多くて、画面上では何も起きていない時間も長い。
でも、その「何も起きていないはず」の時間が一番怖い。どこかが動いた気がする、音がした気がする、何か映るかもしれない、と思ってずっと画面を見てしまう。
低予算ホラーとして有名だけど、むしろ低予算だからこその生々しさがあった。
豪華なセットや派手なCGがない分、誰かの家の記録映像を見ているような嫌なリアルさがある。
見終わった後、自分の部屋の物音や、夜中の廊下の気配が少し気になるようになった。
怖さが映画館の中で終わらず、家までついてくる感じがある。

以下、順不同

  • リング:今見ると映像や小道具に時代を感じる部分はあるけれど、それも含めて独特の怖さがあった。ビデオテープ、古いテレビ、電話、井戸といった要素が、今のデジタルな怖さとは違う湿った不気味さを作っている。
    貞子のイメージが有名になりすぎて、見る前から知っている気になっていたけれど、実際に見ると呪いの謎を追うミステリーとしても面白かった。
    Jホラーの原点として、一度は見ておきたい作品。
  • 呪怨:リングが「謎を解けば助かるかもしれない怖さ」だとしたら、呪怨は「関わった時点でもう終わり」という理不尽な怖さだった。
    家に入ってしまった人たちが、理由もわからないまま呪いに巻き込まれていく感じがかなり嫌。
    伽椰子の動きや声、俊雄の白い姿など、映像として記憶に残る怖さが強い。
    話の構造は少しわかりにくいけれど、その断片的な感じも不気味さにつながっていた。
  • ミスト:怪物が出てくる映画なのに、一番怖かったのは人間だった。霧の中に何がいるかわからない恐怖ももちろんあるけれど、閉じ込められた人々が不安や恐怖でどんどん変わっていく様子の方がしんどい。
    極限状態になると、人は何を信じて、誰を敵にして、どこまで残酷になれるのかを見せられる。
    ラストは本当に重くて、見終わった後しばらく無言になった。気軽には見返せないけれど、強烈に残る一本。
  • クリーピー 偽りの隣人:幽霊や怪物が出てくるわけではないのに、ずっと居心地が悪い映画だった。隣人の西野が、普通に話しているようで何かが決定的におかしい。その違和感が少しずつ大きくなっていくのが怖い。
    香川照之の演技がとにかく不気味で、笑っていても安心できない。現実にこういう人が近所にいたらどうしよう、という生活に近い怖さがある。派手ではないけれど、じわじわ効いてくるタイプ。
  • エスター:「不気味な子どもが出てくる映画」くらいの認識で見始めたら、思っていたよりしっかりサスペンスだった。エスターの表情や話し方がずっと不穏で、かわいらしく見える瞬間にも安心できない。家族の中に少しずつ亀裂が入っていく感じも見ていてつらい。
    ラストのどんでん返しはちゃんと驚けたし、見終わった後に「あの場面もそういう意味だったのか」と振り返りたくなる。後味は軽くないけれど、かなり見応えがあった。

ホラーが苦手でも見られる順番としては

ホラーをあまり見ない人が10本全部見るなら、この順番がいいと思った(個人的な感覚)。

  1. シックスセンス(ホラーよりサスペンス寄り。入門に最適)
  2. 死霊館(完成度高め。ちゃんと怖いけど話もある)
  3. ライト/オフ(設定がシンプルで見やすい)
  4. キャビン(ホラー映画を少し見てから見ると楽しい)
  5. 以降はお好みで

逆に、一番最後に見た方がいいと思ったのはミストとエスター。どちらもラストが重いので、見る体力があるときがいい。


おわりに

人にすすめてもらった映画を全部見る——というのは、なかなか大変だったけど、やってよかったと思う。自分だったら絶対手を出さなかった「キャビン」が一番楽しかったり、意外な発見があった。

布教してくれた彼とは結局お断りしたけど(心霊スポットだけはどうしても無理だった)、映画に関しては感謝している。本当に。

ちなみにお風呂入るとき鏡が怖くなる期間が2週間くらい続いたので、ホラー耐性のない方は一気に見るのはおすすめしない。


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